ドイツ語とショートヘア
私はわけあってドイツに住んでいます。ドイツに住むようになってから一年が経過しました。二度目の冬を経験しているところです。
私がまだドイツに来たばかりの頃の事です。
私の髪は天然パーマでかなりクルクルしており、毛も細く、よく絡まります。軟水の東京から硬水のドイツに引越してきたことに髪がついていけなかったと見えて、もともと乾燥気味が悩みの種だった髪の毛がバッサバサになってしまいました。長さは背中の真ん中ぐらいまであったのですが、まるでナマハゲか何かの髪のように収集のつかない状態でした。なのでちょっと切って何とか形だけでも整えてもらおうと思い、ある週末髪を切りに行きました。
家の近所のヘアサロンに研修生がいて、練習台としてカットモデルを募集していました。研修生がカットする代わりに料金が安くなるので、迷わずお願いしました。
ところで私は当時ドイツ語が全くできませんでした。そして切ってくれた研修生のお姉さんはドイツ語しかできませんでした。お互い何とか相手の言う事を理解しようとしつつ、雑誌に載っているヘアスタイルなどを指差しながらがんばっていると、お姉さんが私に何か聞いてきました。私はなんて聞かれたか分からなかったので、とりあえずお姉さんが言った事を繰り返しました。するとお姉さんは私が承諾したと思ったらしく、笑顔でばっさりショートにされてしまいました。
これはさすがに「しまった。」と思いました。ばっさりショートにする気はなかったのです。しかも季節は冬。ドイツの冬は寒く、しかもこの時はマイナス15度の劇的に寒い時期だったのです。こんな時期にいきなりショートは首周りが涼しすぎて結構つらいです。しかし何もかも後の祭りです。
しかし抗議したって切った髪がくっつくわけじゃないし、それに何より、先輩に見張られながら、まだおぼつかない手つきで緊張しまくっているお姉さんを何とか励ましたかったので、私は平静を装いました。しばらくすると、本来思っていたのとは違うもののなかなか見られる髪型にしあがりました。
この時乾燥してだめになった髪の毛をしっかり切り落としたのが良かったのか、その後しばらくして髪質のいい毛が伸びてきました。怪我の功名とでも言うのでしょうか。
もう一つ怪我の功名と言えば、この件で私はドイツ語習得の重要性をいやと言う程感じたので、以来真面目に勉強しています。今では簡単な会話なら何とかこなせる程度に上達しました。お姉さん、全て君のおかげだ。ありがとう。